クラリネットを吹くには、1オクターヴと完全5度の音のために異なる指穴を開けなければならない。これで一見解決できそうに見えてしまうが、ここでまた問題が発生する。それは、穴が多すぎる上、間隔も広すぎて人間の手指では押さえきれないといった問題である。この問題が解決できないため、狭い音域しか実用にならなかった。このため、シャリュモーは普及できなかった。しかし、キー装置と呼ばれる機構が開発されたことにより、必要なとき以外は常に閉じておいたり、指の届かないところに開けた穴を開閉したりすることもできるようになった。この機構は非常に画期的なものであり、それまでの常識を覆すものとなった。欠点を埋めたのである。これによって、初めて1オクターヴと完全5度の指穴に対応し、基音と第3倍音との間に隙間のない、連続した広い音域を持った楽器が作れるようになったのである。これがクラリネットが普及した理由となった。